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機能グラフ
AUTOSAR の機能(AUTOSAR Feature)は、ユーザーの目的を満たすための、AUTOSAR標準における各種特性を表したものです。AUTOSARは多数の機能を提供しているため、それらの依存関係を視覚化できるようグラフ構造で整理しています。以下のような依存関係があります。
- 必須の依存関係、つまり、ある機能は他の機能がなければ動作できません。
- 任意の依存関係、つまり、機能を選択して使うことも、省略することも可能です。
代替的依存関係、つまり、複数の機能の中からいずれか一つを必ず選択するか、または省略可能ですが、複数を同時に選ぶことはできません。
AUTOSAR標準の可能性を強調するため、本グラフはツリー構造で示されています。これにより、抽象的な視点からより詳細な表現まで順にたどることができます。このツリー構造の最上位レベルは、以下の章でご覧いただけます。また、ツリー構造の全体像は以下のリンクからご確認ください。各機能の説明、依存関係、識別子を含む詳細なドキュメントは、リリースR24-11のAUTOSAR文書(こちらのリンク)でご覧いただけます。
期待されるメリット
AUTOSARでは、標準における各機能と、それに対応する要件やSWS-Itemとの関係性についても記述していく予定です。これにより、一方では標準の各サブ領域に関する用語が明確に定義され、他方では、製品仕様書などに適した一貫性のあるSWS-Itemのサブセットを選択することが可能になります。
機能(レベル1)
Basic Functionality(基本機能)
Basic Functionality(基本機能) は、自動車向けソフトウェアアプリケーションの開発および実行に必要な、基本的なサービスや機能を提供する基盤を表します。さらに、ランタイムにおける初期化や終了処理(例:ara::core::Initialize()や::Deinitialize())についても扱います。

通信
自動車環境において、異なるソフトウェアコンポーネント、ECU(電子制御ユニット)、および外部システム間のデータ交換を可能にするための仕組みやプロトコルを記述します。


開発
自動車システム向けのソフトウェア開発プロセスを支援し、その効率と品質を高めます。

診断
診断の機能として以下を提供します。
診断情報の一貫した表現
効率的なメンテナンスとトラブルシューティング
規制および法的要求への準拠



Execution Environment
Execution Environment(実行環境)は、ECU(電子制御ユニット)上で自動車ソフトウェアコンポーネントを実行するための、基盤となるインフラや支援メカニズムを記述しています。


Hardware Support IO
AUTOSARにおけるHardware Support IO(入出力)は、ソフトウェアアプリケーションと車両のハードウェア部品との連携を可能にする機能を指します。

Platform Update
AUTOSARにおけるPlatform Updateは、管理されたアップデートプロセスを通じて、車両ソフトウェアを常に最新かつ正常に機能する状態に保ちます。


安全性
ISO 26262に準拠した安全性です。基盤となる構造は、機能安全を保証するためにISO 26262-6:2018のAnnex Dに従っています。


セキュリティ
Security Feature(セキュリティ機能)は、ECUの機密性の求められるリソース(例:暗号鍵)、車両ネットワークおよび通信を不正アクセスから保護するために設計された、さまざまな仕組みやプロトコルを含んでいます。


標準化アプリケーションインターフェース
アプリケーション間の相互運用性を確保するために、共通で合意されたインターフェースの定義を提供します。



ストレージ
アプリケーションの安全なローカルストレージを提供します。

